ニュースNews

2022.3.25

現場力インタビューVol.10「こころの運行前点検10ヶ条」

ソシオークグループの「現場力」とは
「現場力」とは、フードサービスや子育て支援、運行管理・移動サービスなど現場ではたらくソシオークグループの社員が自ら課題や改善点を見つけ、知恵と工夫によりチームで改善を重ねていく取り組みです。自ら考え実践するナレッジワーカーとしての誇りの醸成や、個人の持続的成長につながるとともに、各現場の意欲向上や組織の活性化にもつながっています。

現場力作成者:桑野 均さん・岩間 俊也さん

みつばコミュニティは、埼玉県所沢市にある幼稚園のバス運行管理業務を受託しています。
運転士(サービスクルー=SC)の桑野均さんと岩間俊也さんは、幼稚園バスの運転は子どもたちの大切な命を預かる仕事であるという使命感から、運転時の基本的な注意事項「こころの運行前点検10ヶ条」を作成し、毎朝運転前に必ず黙読し、安全運転への意識付けを行っています。仕事の関係者を大切にし、気を引き締めながらも楽しく仕事に臨むお二人に、運転前10ヶ条へ託した想いを伺いました。

 

「こころの運転前点検10ヶ条」

 

――今回の現場力は、安全運転への意識付けを行うために標語10項目を作成し、運転前に黙読するようにしたという内容ですね。発想のきっかけは何でしょうか?

桑野 均さん(以下敬称略):我々2人で、どうすれば自分たちが今後事故を起こさないよう安全な運行を続けられるかって考えたのです。車間距離とかミラー確認とか、日々の運転において軸になる基本的なことを10項目。どれもドライバーならみんな知っている肝心なことですが、運転前に目を通しておけば、事故をなくすことにつながるんじゃないかと思いまして。我々は幼稚園に通う子どもたちの大切な命を預かっているわけですから。

――10ヶ条の中で、お二人が特に強く意識していることは何でしょう?

岩間 俊也さん(以下敬称略):僕は特に一つ、っていうものはなくて、全てですよね。毎日仕事が始まると、この10ヶ条は絶対に頭に入れておかなければいけないので。

桑野:大事なものは10項目みんなですけれど、僕の場合は特に第1条「見落とすな道路標識・信号機」ですね。朝の第1便の運行時間は小学生がスクール道を通る時間とバッティングしているし、他の通行人も多くが通勤・通学で急いでいるじゃないですか。だからバス運転士としても、より一層、標識と信号の見落としはいけませんよって。見落とせば通行人との接触事故の元になるので。

 

毎日運転する前に10ヶ条を黙読し、安全運転への意識付けを徹底

 

――取り組みを始めてから、運転における意識に変化はありましたか?

桑野:10ヶ条を作って黙読するようになってから、当然事故が起きるようなことはないし、注意力が高まったことは間違いないです。

毎日読んでから運転するようにすると、例えば交差点近くまで来たとして、自然と10ヶ条の第5条「交差点、安全確認念入れよ」が頭に浮かんで、念入りに安全確認するようになるのですね。あと、雨の日なんかは第3条「雨天時はスリップ・水はね運転要注意」を自然と意識して、水はねに気を付けようってことを考えられる。

――普段は何か仕事における課題が見つかったら、お二人で相談することが多いのでしょうか?

桑野:そうですね。運転しながらサイドのより広い範囲まで見えるようにするために補助ミラーを取り付けるとか。あとは、バスが園の屋根の付近を通過するときに車体がぶつかってしまう恐れがあったので、「ここまで来たらぶつからないように気を付けて運転して」という目印として、園の屋根の端にカラーボールを取り付けたとか。大掛かりじゃないシンプルなものでも、2人で年中考えているのです。

――お二人が普段の業務において、大切にしていることは何ですか?

桑野:運転前の点検をしっかり行い、安全・安心な運行に務めること。それとやっぱり、友好な人間関係を築き上げることですね。この幼稚園バスは、みつばコミュニティと他の会社の2社で運行管理業務を受託しているので、そこの社員の方々とコミュニケーションを取りながら一緒にやっています。岩間さんがみなさんをまとめてくれているおかげですごく楽しくやれています。

岩間:やっぱり人間関係なのですよ。園には他社の運転士も毎日来ているんですが、人間関係が築かれていないと、精神面が安定しなくなって運転に影響します。

桑野:岩間さんの性格なんです。若い人だと伝わらないと思うんですけど、昭和のギャグを言ったりしてね。

岩間:うん、やっぱり毎日楽しく働きたいですね。

あと、僕たち運転士は子どもたちの命を預かっている仕事なので、集中して運転できるようにするために、早めの就寝を心がけています。10時半から12時前にはもう就寝していますね。安全・安心な運転ができるよう集中力を高めるには、良好な人間関係を築いて、十分な睡眠を取って、心も体も健康でなきゃいけない。

――今後、どのような現場作りを目指していきたいか、お二人の現場力への想いを教えてください。

桑野:私たちが作った「こころの運行前点検10ヶ条」は基本的なことばかりですが、これを他の事業所にも広めて、それぞれの地域の地理的交通事情などに応じて最適化した内容を考えてもらえたら良いなとも思っています。例えば雪道や路面凍結に対しては雪が多く積もる地域にある事業所が、大雨に対しては雨の多い地域の事業所が、地域の特性に合わせて自分たちの10ヶ条を作ってくれたら良いなと思いますね。

岩間:そうですよね。やっぱりまずこの基本の10ヶ条を他の地域の事業所と共有したいですね。こういう毎日の点検項目としての10ヶ条って、今までなかったんじゃないかな。社内報で毎月注意事項を周知していただくことはあるんですけどね。10っていう多くも少なくもない、毎日読むにはちょうど良い数だし。他の事業所のSCさん全てに活用してもらいたいくらいです!同じみつばの仲間としてね。